クリエイターへの依頼料の話

Xでこんな投稿を見かけた。

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https://x.com/tanaka_u/status/1785689844876005739?s=46&t=j2G-rNOV0h2HuFjAu4mB6A

 

事の発端のポストは見かけていないのだが、関連するポストをちらほら見て、恐らく安い値段で依頼されたクリエイターがお気持ちを述べていたらしいことはわかった。

前回SNSで仕事を受ける人についての記事を書いた。関連する話題なので、少し書く。

イラストレーターの自我投稿についての話 - オタクが本業

 

今回の当事者がどういう流れでそういう発言をするに至ったのか、詳しいことは知らないが、似たような経験があるクリエイターの人は多いのだろうと思う。

破格の値段で依頼をされて腹が立ったり悲しくなったりすることもあろうが、話が通じそうな相手であるならどうか、一旦怒る前に冒頭のポストのように話をしてほしいのだ。

 

なぜなら、単純に相場や適切な報酬額を知らないだけの可能性が往々にしてあるから。

 

クリエイターに仕事をお願いする依頼者は、クリエイターではない素人の方が多いはずで、その作業をしたことのない人間には、その作業にどれくらいの時間がかかるのか、どれくらい手間のかかることなのか、全く想像がつかないのだ。

私自身が仕事で関わった人で、クリエイターと関わる仕事をしている人でも、相場を知らずに安すぎる金額で依頼をしようとしている人はいるくらいだ。

世の中の多くの人間が、クリエイターに制作依頼をする時の相場なんてわからないのだということを、クリエイター側も念頭に置いていただけると非常にありがたい。

 

実際に聞いてみないと依頼料がわからない場合が多かったり、どうしても予算の都合で限られた中で交渉したいという場合もあったり、内容や納期によって交渉になる部分も無いわけではなかったり、とりあえず希望の額を最初に伝えているという可能性もある。

あとは、うっかり過去にクリエイター側が安い金額で引き受けてしまったことがあって、依頼者側が相場を勘違いしているという例もある。

例えば過去の制作物の例を見せて「これと同様であれば○○円で制作します」というように説明をしてもらえば、まともな人間は納得して、それでも依頼する気があれば非礼を詫びて提示した金額で依頼してくるだろうし、予算が合わなければ素直にごめんなさいと謝るだろうし。端からまともでなさそうな人に取り合う必要は無いと思うけれど。当該のお気持ちを述べたクリエイターも実際にはいろいろやり取りを裏でした上で、積もり積もってそういう発言をしたのかもしれないけれど。

 

また、あなたのスキルにならこれだけのお金を払ってもいい! と見境なくお金を出せるのは、予算に糸目をつけなくていい個人か上位レイヤーの人間だけで、大抵の場合は限られた予算があるので、作業量や拘束時間に応じて金額を定めるしかないことも理解してほしいと思う。

 

それと言及するポストも見かけたが、マイナスイメージになる発言をSNS上でしてしまうことで、さらにまともな依頼者は遠ざかってしまい、安い依頼料をさも当然のように吹っかけてくる無礼者ばかりしか近寄ってこないという可能性もある。これは前回記事と通ずるところかと思う。

 

クリエイター側も、依頼者側の立場のことはよく分からない人が多いのだろうと思う。

お互いがお互いの立場を「分からないもの」としてコミュニケーションをとるのが必要なのではないかと思っている。