イラストレーターの自我投稿についての話

時折話題になる「絵師/イラストレーターは自我を出すな」みたいなこと。

趣味でやってる絵師はいくらでも好きなだけ自我出していいに決まってるのだが、商業イラストレーターについて、一発注者としての所感を書く。

シチュエーションは限定的かつ、個人の所感なのはご承知おきいただきたい。

 

SNS上で版権もののイラストを描いてくれる人を探す時、正直あまり自我出してない人を選びがちだ。

何で炎上するか分からない中で、目に見えるリスクは避けたいから。

該当の作品の二次創作BLなんて描いてたら、どんなに絵が良くても多分お願いしない。「この作品好き」くらいならプラスに働くこともある。作品を全然知らない人に頼むよりは、ある程度知ってる人の方が特徴を掴んで描いてくれるからだ。

あとは、自我投稿の内容にもよるが、「忙しい」「体調が悪い」というような投稿が見えてしまうとためらう。この人は本当に納期を守ってくれそうか? 融通をきかせて動いてくれそうな余裕があるか? そういうのもこちらは気にしているわけで、何気無いポストがマイナスイメージになることもある。これは絵に限らず、SNSで仕事を募集している人は皆同じだと思うが。

 

ある程度継続して既存ルートかは仕事の依頼が来ているような人はそこまで気にすることではないかもしれないが、切実に仕事が欲しいと思っているなら、やはりアカウントは分けるなり、しばらくはポストの内容に慎重になってみるなり、した方が良いだろうとは思う。

 

ただこれがフォロワーが数十万単位でいて、既にネームバリューがあるイラストレーターになるとまた話は変わってきて、さっきの話じゃないがむしろ「この作品好き」みたいな投稿を見て依頼するなんてこともある話だから、シビアな話をすれば有名なら気にすることは無いということだ。

 

これは余談だが、デフォルメイラストを描くイラストレーターで「SD(スーパーデフォルメ)」という単語を使っている人はわりといるが、SDはバンダイの商標のため汎用的に使うのは避けた方が良い。

 

どう思うかは読んだ人次第かと思うが、こういう考え方もあるという話。

オタク、意味の無い伏字をやめろ

オタク、意味の無い伏字をやめてくれないか?ちょっとしたことで火がついてすぐ炎上する時代になってしまったからなのか、最近のオタク、何でも伏せすぎじゃないか?
理由は知らないけど、某ジャンルとかただの本誌の感想すらも伏字使われてるの意味がわからなすぎて、なんでなんだろうといつも思っている。


カップリングの話をしたいから検索避けとして伏字を使うはわかる。
ネガティブな話題だから関係者の目に入れたくなくて伏字を使うもまあわかる。
ポジティブな話題ですらも伏字を使うのはやめてくれないか?

 

キャラクターを扱う仕事をしている人間からすると、オタクたちの反応が掴みきれないというのはデメリットでしかない。

例えば、新しい描き下ろしイラストを使用したグッズのお知らせが出たとする。そんな時、担当者はずっとTwitterもといXに張り付いて評判がどんなものかチェックしているわけである。

当然いいねやリポストの数なんかも製造数の指標にはなるのだが、今回の絵はいつもと違ってこのキャラの方が評判が良さそうだから少し在庫多めに作っとくかとか、このキャラがラインナップにいないことを残念がってる声が多いから第2弾も検討するかとか、そういう声もキャッチしている。

それが伏字にされてしまうと見つけづらくなる。すごく極端な話、伏字が多すぎると人気の実態を読み違えて品切れを起こす原因にもなりかねないわけだ。

 

また伏せるのがキャラ名や作品名だけに限った話ではなく、コラボがあった場合に、そのコラボ先を絵文字などで表現するオタクはすごく多いが、あれも本当にデメリットでしかないのでやめていただきたい。

例えば、温泉施設とのコラボがあった時に「♨️コラボのイラスト最高!」とかそういうのだ。コラボをやったりするお店や施設は、特に規模の大きなものであればあるほど、このコラボがどれだけ反響があって、だからたくさん予算をとってでもやる意味があるんだというのを推し活のことなんかよく知らない偉い上の人たちにも説明しなきゃいけないわけだが、そんな時にSNSの反応というのは大きな説明材料になる。しかし、いざエゴサして見ても全然反応が出てこないとなると、評判がそこまで良くなかったのではないかと思われてしまうわけだ。

良いコラボだった、またやってほしいと感じたのであれば尚更、ちゃんとエゴサできるようにポストをするべきなのだ。

 

ポジティブな話に限らず、公式や運営や関係する各所に言いたいことがあるのならネガティブな話であっても伏せたり鍵垢を使わずにオープンに言うべきだと私個人としては思っている。(作者だったり、特定の個人を傷つける可能性がある内容はその限りでは無いが)

恐らく、ファンが想像するよりも関係者はファンのSNSを見ている。不満だって届いている。それでも全ての不満が解消されないのは様々な理由があるものの、意味は十分にある。

不満は直接問い合わせ窓口に送る、という人もいるだろうが、何件かちらほらと苦情が届いたところで「めんどくさい人がなんか言ってるな」くらいの感覚にしかならない。そういう問い合わせを受ける窓口の人間は直接の担当ではない可能性の方が余程高いし、テンプレの返ししかしようがない。どちらかというと最近はやはりSNSの炎上の方が企業は怖がる傾向にあるし、許し難いことが起きたらヒソヒソと文句を言うのではなく、積極的に炎上させた方が、恐らくまだ効果がある。「そんなことで?」みたいなことが炎上したりもするから本当に怖くて仕方がないものだが。 

 

限られた視点からの話ではあるが、とにかく最近の伏字文化は本当に過剰だと思う。

オタクたちはむしろ、関係者エゴサしろの気持ちでくどいくらい作品名とかキャラ名とか入れた方が良いと思ってる。

声のでかいオタクのお気持ちとかはしっかりエゴサにかかるようになってたりするけど、オタクって良かったことは語彙力無くなっちゃうからか知らないけど感情しか述べないから、落ち着いた時にでも良かったことを事細かに書いてくれると、関係者にも届くし今後の展開にも繋がったりするんじゃないかなと思います。